卒業生の活動

 

看護学分野     修了生 吉森 容子さん

検査技術科学分野  修了生 渡部 紀宏さん

検査技術科学分野  修了生 鈴木 克弥さん

放射線技術科学分野 修了生 松山 江里さん

看護学分野     修了生 野中 共子さん

新潟県済生会三条病院 母性看護専門看護師 吉森 容子さん

 私は、臨床経験のなかで不足していると感じた専門知識や研究能力の向上と、母性看護専門看護師の認定取得を目指し大学院へ入学しました。そして終了後の2014年、母性看護専門看護師の認定を受けました。社会人入学であり、仕事と学業の両立は決して容易なことではありませんでした。しかし、専門分野だけでなく理論を基とした講義での学びを、すぐに実践に活かせたことは、仕事に対するモチベーションの向上に繋がりました。何より、今までを振り返り、更に自分自身を深めることができたと実感しています。

 母性看護専門看護師は、思春期、更年期、老年期など女性の生涯における健康支援や、周産期の母子に対する支援など対象も広く、様々な場面で役割が大きいと感じています。職場では、産婦人科病棟と外来を横断的に活動し、助産外来の担当やハイリスクケースに対する、地域を含めた他職種連携のコーディネーション、虐待防止に向けた実践を展開しています。また教育委員として、看護倫理と看護研究の指導を担当しています。これらの実践では、専門的な知識をはじめ、病院を組織として捉え展開することが求められ、大学院で学んだ専門知識や研究手法、理論やシステム思考が活かされていると感じています。

 また助産師でチームを結成し、思春期の生徒に向けた性教育の実践に取り組んでいます。大学院では、性教育を受けている生徒の体験に関する研究を行い、実践に繋がる成果と課題、そして沢山の学びを得ることができました。研究において、いつも暖かくご指導してくださった大学院の先生方に感謝しています。

 現場では、様々な問題に直面し悩むことがあります。その時に、いかに自己で考え探求し戦略的に問題解決していくか、その基本的なプロセスや学び方の手法を大学院で学べたことが、現在の活動における実践力になっていると感じています。今後も広い視野を持ち実践や研究に取り組み、母性看護専門看護師として、女性の生涯における健康支援の提供を目指し、スキルアップしていきたいと思っています。

ベイラー医科大学 博士研究員 渡部 紀宏さん

2012年に渡米してからそろそろ4年が経とうとしています。

私は今、アメリカテキサス州ヒューストンにある、ベイラー医科大学で、博士研究員として働いています。

検査技術課程卒業後、当初より興味のあった養子免疫療法について学ぶに為に保健学研究科修士課程に進学し、

高橋益廣教授の指導の下、研究の基礎を学びました。卒業後、医歯学総合研究科博士課程に進学し、より免疫学の知識を高め、

また自分自身の研究方針というものを見出すことができたと思います。

 

日本の医学は世界の最先端を進んでいると言っても過言ではありませんが、養子免疫療法の分野に限っては、

まだ臨床での応用例/成功例は少なく、その点、アメリカでは数多くの臨床試験が行われていることもあり、

また、Ph.D. として臨床に関わることのできる機会も多い為、博士課程卒業後はアメリカで研究をすることを目標に研究に励んでいました。

新潟薬科大学(教授:梨元正之)に在職中、幸運にも上原記念生命科学財団の海外助成金を獲得することができ、

それを機にアメリカに渡り、現在の研究室で働いています。

 

私が所属する Center for Cell and Gene Therapy (CAGT) では、T細胞を利用した養子免疫療法の臨床試験が数多く行われています。

CAGT は世界最大の医療施設複合体であるテキサスメディカルセンター内に位置し、

Texas Children’s Hospital や Houston Methodist Hospital と連携しながら、多くの研究が臨床応用を目指して行われていることから、

いつか(近い将来?)自分が研究した成果を臨床応用できるかもしれないという点は、研究者としてとても魅力的です。

 

研究者としての初めの一歩は大学院での経験からスタートしているので、

今でも実験をしている時にふと大学院の時に教わったことなどを思い出します。

また同様に、大学院の時にもっとこうしていればよかったと反省することもありますが、

すべての経験が今の自分にとっては糧となっていると感じ、指導してくださった先生方に感謝しています。

新潟医療生活協同組合 木戸病院 検査科 鈴木 克弥さん

大学生4年当時、私は卒業してすぐに就職することに不安を感じていました。そもそも就職できるのだろうか、もし就職できたとしても続かないかもしれないと考えました。もう少し勉強して働く自信をつけたいと思い、大学院進学を考えました。

保健学科大学院では循環器関連の研究を行っている教室に入学しました。医療の現場の見学、実験・実習も最初は驚きと戸惑いの連続でしたが徐々に慣れて、少しずつ臨床検査技師として働く自信がついてきました。卒業研究、学会発表ではデータ取り扱いの注意、論理的な研究の組み立て方、聞く人が理解しやすい資料作成、プレゼンテーション法、などの指導を受けることができました。また、わからないことを自分で調べる癖と力もついたと思います。

大学院在学中は検査技師資格を生かしたアルバイトをしていました。睡眠時無呼吸症候群の終夜睡眠検査、運動負荷試験時の心電図の取り付け、血液検査、尿検査など、アルバイトでの経験も就職して働く準備になったと思います。 大学院生としての就職活動は、他の大学生に比べてアピールポイントがたくさんありました。面接ではすでに国家資格を取得していること、大学院での研究や活動、検査技師免許を生かしたアルバイトの経験など、熱く語る事が出来ました。

現在は市中病院に就職して4年目を迎えております。臨床検査技師の仕事では、大学院時代の実験・研究、アルバイトで経験した検査技術をそのまま生かすことがでます。また、現在も大学院時代の恩師、先輩と一緒に研究・学会発表を続けることができ、たくさんの刺激をもらっています。病院内の仕事だけではなく、様々な人と関わり、たくさんの刺激を受けることができる環境にいることを幸せに感じています。今後も自分を甘やかさずに成長したいと思います。知は豊かさと力、自信につながると思います。大学院に進学して本当に良かったと思っています。

帝京大学福岡医療技術学部 診療放射線学科 准教授 松山 江里さん

大学院修了までの5年間(博士前期課程2年、後期課程3年)、私は札幌と新潟を飛行機で往復していました。つまり飛行機通学です。当時私は、札幌に在住しており、札幌で勤務をしながら、新潟大学大学院 保健学研究科 放射線技術科学専攻の社会人院生を続けていました。そして無事に博士の学位を頂くことができました。

なぜ、そんな事が出来たのか..。
これは、どう考えてみても新潟大学の先生方の温かいご配慮とご指導があってこそです。土・日曜日にゼミを行っていただいたり、レポートをメールで添付させて頂いたり、度々個人対応もして頂きました。厳しくも暖かいご指導の下、学ばせて頂きました。
特に、在籍していた研究室の指導教官には、研究指導や論文執筆・国際会議の発表に至るまで、懇切丁寧にご指導頂き、叱咤激励に加え、度々食事にもお付き合い頂きました。こうしたやり取りは、院修了後の現在も続けて頂いており、学位を頂く以上の素晴らしい宝物を頂けている事を日々、実感しています。

このように育ててくださった先生の姿は、私のあこがれであり、いつの日か目標になって行きました。院を修了した後も研究活動をつづけ、そして現在、私は大学で教員として勤務しています。目指す方向・目標が定まると、ビジョンアプローチ(到達点からの思考)が可能になる事を、身を持って体験してきたように思います。こうした経験は、その後も大いに活かされています。到達点から物事を考え、難関をクリアしていく意欲に繋がって行きますし、ピンチを乗り越える事が少し楽しくなります。

研究室の先輩や同期の方とも、院修了後の現在もなお研究仲間としての交流があります。こうした関わりの中から、仲間の大切さというのも実感しています。これもまた素晴らしい宝です。

現在私は大学教員として、多くの学生に、私が新潟大学大学院で得たような素敵な宝物を沢山手に入れて貰いたいと考えています。 教育・研究のみならず、温かい関わりが出来る教員を目指して、目標をもって日々がんばっています。

新潟大学医歯学総合病院看護部 慢性疾患看護専門看護師 看護学分野 修了生 野中 共子さん

私は、平成18年3月、新潟大学大学院保健学研究科1回生として社会人入学で修士課程(現在の博士前期課程)看護学分野を修了しました。長年、糖尿病看護を行っていましたが、入学前は、土台となる何かの力不足を自分自身に感じていました。その中で、仕事と子育てをしながら放送大学で学び、卒業と同時に本学大学院入学の機会を得ました。在学中、慢性疾患看護専門看護師コースの4施設めの実習では、慢性疾患看護専門看護師の先駆者から指導を受けました。実際の患者さんの状況やケアは、コービンとストラウスの「病みの軌跡理論」を用いて説明していました。看護とは、このように考えていくものかと強い衝撃を受け、その後のなりたい自分の姿を描けるようになりました。日本看護系大学協議会から本学の慢性疾患看護専門看護師教育課程認定までには、修了後2年を要しましたが、その間科目履修生として通い続けました。平成21年に、日本看護協会から新潟県で最初の慢性疾患看護専門看護師認定を受けることができました。

認定後は、同じ職場で外来の実務管理者の役割を果たしながら、療養指導外来でセルフケア支援を行い、多くの患者さんからの相談を受けています。外来での看護介入の成果は、糖尿病や睡眠時無呼吸症候群患者への関わりを学会で発表しています。少子高齢化多死社会の中で、慢性疾患の管理は重要な課題であり、外来看護の確立は、慢性疾患看護専門看護師として取り組み続けているテーマです。院内では、新人教育をはじめ継続的なスタッフ教育、コンサルテーション、チーム医療での調整、看護学生や大学院生の実習に関わり、多くの看護師と共に、患者さんの理解やケアを一緒に考えています。

院外では、新潟慢性看護研究会の設立、新潟県糖尿病療養指導士ネットワーク会の活動などを通じて、地域の医療者と交流しています。日本慢性看護学会では、関節リウマチの最新治療である生物学的製剤での看護プロトコール作成に携わっています。新潟県の慢性疾患看護専門看護師は現在3名となり、私は、大学院の非常勤講師として、現場の実践者の立場から看護理論を活用した授業を展開しています。

これからも、患者さんに今できる最良のケアを提供して、病いと共にある生活を少しでも満足できるように支えていきたいと願っています。